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執筆者の写真新谷 恭明

おかしなことが


 おかしなことが起きている。これはとある中学校の試験の成績の分布グラフだ。おおよそ5点刻みで、いちばん右の16は0点~29点の範囲の生徒数だ。問題はここが最も多いということになる。尤もこのランクは30点分あるので多いのは当然だという見方もあるだろうが、30点未満がこれだけいるということはまったく授業がわかっていない生徒が75人もいるということで、それはこの規模の学校では異常に多い数字だろうということだ。

 それよりおかしなことは低得点に向かうほど生徒の数が増えているということだ。こうしたグラフの場合、正規分布に近づくことが統計としてはよく使われたものだ。今手元にある昭和33年度の通信簿の裏面に正規分布表が載っていて、端っこの7%が「特に劣っている」と「特に秀れている」で、次の24%が「やゝ劣っている」と「やゝ秀れている」、そして真ん中のもっとも多いところの38%を「普通」と位置づけていた。その中身がどんなものであったかはわからないが相対評価とはそういうものだった。実際にはグラフはそういう正規分布のようには行かないし、中央値が70点、80点という高いところに行くこともあれば、30点、40点という低いところにいく場合もある。30年ほど前、最も多い層が上位と下位に分かれるいわゆるフタコブラクダ現象が起きてある層がついて来ていないのではないかという危惧が言われたこともあった。

 ところが今回の現象はちがう。山の頂点がみあたらない。で、「4、5、6」「7、8、9」「10、11、12」という具合に3つくらいの階層を合わせると明確になる。得点が下がるほど生徒数が増えているということになる。それはある意味、みんなお勉強がわかっていないということだ。ま、たまたまこのテストだけがそうだったのだろうとは思いたいが、しばらく経過観察をしてみたい。もしこの記事を見た人の中でこんな成績分布表があったら確かめてほしい。僕の見たのが特例なのか、傾向として存在しているのか。とても気になる。



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