新型コロナウィルスの流行があちこちで人間の活動を妨げている。今朝の新聞を見ると、日本サッカー協会会長の田嶋幸三氏が罹患したと報じられていた。思えば、津田梅子の盟友であった大山捨松はかのスペイン風邪で亡くなっている。捨松は大山巌の後妻であったが、九州大学総長でもあった山川健次郎やら高等師範学校初代校長となった山川浩は捨松の兄である。
徐々に著名人に感染者が出てきたというのは当たる確率が高くなってきたことを感じさせる。わが西南女学院大学の教職課程でも教育・養護・栄養教育実習の事前指導を3月末に予定していた。事務的な指導もあるが、外部講師を招聘して、人権教育や養護教諭の職務内容についての講義などを予定していたが、それらを強行するのか。また、これも外部講師にお願いしていた教採試験突破講座も4月初めに予定していたが、それも実施すべきかどうか。
おそらくは周辺に感染者はいないであろうという思い込みは疑った方がいいのだろう。緊急に教職課程委員を招集して議論することになり、外部講師をお願いしての講義は再開時期未定の延期ということにした。ついては、事後処理である。いつ開講するか、代替措置はどうするか、というような対策措置である。さいわい、本学の教務課職員は有能である。それなりの対応案を提示していただき、なんとか乗り切ることにした。
しかし、大学の新学期以降の行事日程も確定できていない。先の見通しの立たないのは東京五輪もそのようだし、早々に結論を出したくない気持ちもその立場に立てばわかる。危機管理がどうのと言うは易いがいざ決断をしろと迫られると自分も含めてまっとうな判断はできるものではない。その瞬間に批判はあるし、時間とともに批判は変わってくるし、歴史的にも批判は為されるであろう。いずれも判断をしなかった人たちによってだ。何処かに決断科学とやらいう大学院があるらしいが、決断や危機管理に法則というものはあるのだろうか。教えを請いたいというのはこういうときであるが、さて…
ま、とりあえず教職課程としては延期という責任回避措置をおこなうことにした。危機管理なのか責任回避なのか微妙だが、危機回避と言えばいいのかもしれない。管理はできそうにないからだ。
というところで、九大で感染者が出たということだ。本日は九大での研究会を予定しているのだが、会場の変更がありそうで、その連絡待ちである。危機を回避しつつ教育・研究活動を止めない。さあいつまで続くか。
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